有効成分から逆引きするおすすめの保湿アイテム

基本となるスキンケア
執筆者

医療・美容業界で10年以上40代男性のアンチエイジングに携わってきた経験を活かし、様々な情報をアウトプットしていきます。

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保湿アイテムは大きく分けて2種類

肌を保湿するアイテムは2つに大別できます。一つは皮膚表面に油の膜を作って、水分の蒸発を防ぐ機能をもつもの。「ワセリン」や「馬油」がこれに当たります。

そしてもう一つは、皮膚に水分を与えるメカニズムをもつもの。「セラミド」「コラーゲン」「尿素」などがこれに当たります。なお、尿素軟膏は刺激が強いため、顔に使うのは避けましょう。また、同様に理由で、手足などに亀裂(裂け目)がある場合も使用を避けたほうがいいでしょう。

  • 皮膚表面に油の膜を作る
    • ワセリン
    • 馬油
  • 皮膚に水分を与える
    • セラミド
    • コラーゲン
    • 尿素

上記のアイテムの形状は軟膏タイプやクリームタイプ、ローションタイプと様々です。自分の使い心地のいいものを選ぶことをおすすめします。

  • 保湿アイテムの形状は様々
    • 軟膏タイプ
    • クリームタイプ
    • ローションタイプ

洗顔料に配合された保湿成分は洗い流すので意味がない

市販の洗顔料には、さっぱりタイプやしっとりタイプとうたわれているものがあります。

しっとりタイプには油分が含まれており、すすぎ流したあとに、肌上に油分が残るのでしっとりと感じるしくみです。

しかし、油分が残ると毛穴が詰まったり、そのあとにつける化粧品などの浸透を妨げたりします。洗顔は、やはり汚れを落とすことに徹するべきなので、しっとりタイプを選ぶ必要はありません。

肌がうるおうのはセラミドの力が大きい

肌のうるおいを左右する「保湿物質」の働き

うるおった肌は、正しい保湿ができている証です。では、肌がうるおうとは、そもそもどのような状態をさすのでしょうか。

それは肌がみずから「保湿物質」をつくり、角層内に水分を蓄えておける状態のこと。保湿物質がきちんと働いていれば、湿度がなくても水分は蒸発しません。逆に、保湿物質をつくる力が弱まると、肌は乾燥します。

セラミドは高い保湿カを誇る

角層の水分を守っている保湿物質には、実は「皮脂」「天然保湿因子」「セラミドなどの角質細胞間脂質」の3つがあります。これらが助け合いながら、水分をキープしているのです。

角層の水分のうち80%以上はセラミドなどの角質細胞間脂質が、そして、16~17%は天然保湿因子が守っています。皮脂の果たす役割は2~3%と非常に小さく、水分を守る力はあまりありません。つまり、セラミドなどの角質細胞間脂質が、肌の水分を守る最大のカギといえます。

角質の水分を守っている保湿物質

  • 皮脂……水分を守る割合:2〜3%
  • 天然保湿因子……水分を守る割合:16〜17%
  • セラミドなどの角質細胞間脂質……水分を守る割合:80%以上

本来、脂質は水とは結合しません。しかし、セラミドは水と結合することで蒸発や凍らない性質をもっています。セラミドは、あらゆる環境に対応する、まさに保湿のスペシャリストなのです。

つまり、セラミドをたっぷり含んだ肌はうるおいに満ちているということになります。

保湿アイテムで最もおすすめしたいのはセラミド配合化粧品

不足しがちなセラミドは化粧品で補える

角層の中でパワフルな水分保持力を発揮するセラミドですが、残念ながら年を重ねるごとに減ってしまいます。肌の新陳代謝の過程でつくられるものなので、代謝が活発な赤ちゃん時代がもっとも多く、それ以降は低下し続けるのです。

セラミドはコレステロールのようなものからつくられていますが、コレステロールを食事からとっても、直接セラミドを飲んでも増やせません。加齢で減っていくセラミドを体の中からつくり出すことは、とても困難です。

そこで、簡単にセラミドを補えるよう開発されたのが、セラミド配合の化粧品です。これを使えば、確実に肌の水分を増やすことができます。美しい肌を目指すには、セラミド配合化粧品が必須だと覚えておいてください。

セラミド化粧品はどうやって選ぶか

そもそも、セラミドは水溶性の物質ではありません。そのため、化粧水ではなく、美容液や乳液に配合されていまるものです。セラミドといっても様々な種類があり、選ぶときに注意が必要です。

最近では、植物由来のものなど、いろいろなセラミドが出回っています。「植物由来」といいますと、肌にやさしいというイメージがありますが、何よりも大事なのは人間の肌に近い組成であるかどうかなのです。

人間の皮膚には、約6種類のセラミドがあることが現在わかっています。このうちとくに保水力にすぐれているのは、セラミド1、2、3で、このいずれかが入っているものを確実に選ぶことが最優先です。また、セラミドは、スキンケアアイテムの原料としても比較的高価ですので、類似品もたくさん出回っています。

購入するときには、含まれている成分を確認するほうが安全です。たとえセラミドが入っていても、極端に安いものですと、微量しか含まれていないこともありえます。

価格は、スキンケアアイテムの量や種類にもよりますが、3000円以上を目安に選ぶとよいでしょう。

普通の乳液で保湿のためのフタをするのは完璧ではない

いくらクリームや乳液で肌に油の膜を作っていても、セラミドや水分保持力のある成分が少なければ、やはり肌は乾きます。

なぜなら、水分保持力のない油分を塗っても、そのすき間を縫って水分が蒸発してしまうためです。乳液は、水分約50~70%と約10~20%の油分で構成されています。そもそも水分のほうが多いため、水分の蒸発を防ぐには物足りません。

しかし、セラミドや水分をキープできる保湿成分の入った乳液なら、話は別です。それは乳液でフタをするという働きではなく、セラミドに水分をキープするという働きがあるからです。いずれにせよ、水分をつかんで離さないということが重要なのです。

コラーゲンやヒアルロン酸は保湿のために使う

極端な話、高級な化粧品を使う必要はない

肌にとって保湿は大切ですが、正しく保湿を行うことも大切です。保湿成分がたっぷり入った化粧品を使う、あるいはアンチエイジングに有効な成分が入った化粧品を使うなど、成分や化粧品に目がいっていないでしょうか。

保湿は肌からの水分蒸発を防ぎ、もともと肌が持っている水分保持機能を損なわないようにするために行うものです。

そのため、極端な話、高級なスキンケアアイテムを使う必要はありません。どんな乳液やクリームを使ってもかまいません。

コラーゲンやヒアルロン酸は肌の表面につけることで水分の蒸発を抑えて、肌の表面を保護する

肌細胞の活性化は期待できないコラーゲンやヒアルロン酸ですが、保湿には一定の効果があります。コラーゲンやヒアルロン酸は分子が大きいため、肌の表面につけることで、まるでガーゼの上をラップで覆うように水分の蒸発を抑えて、肌の表面を保護します。

またヒアルロン酸は水分を取り込む能力も大きいため、その点でも保湿効果が期待できるのです。

保湿によって肌の表面が保護されますと、その下の肌細胞は外部からのダメージを受けにくくなります。傷ついた細胞は健康になるチャンスが得られ、細胞が健康になることが老化防止につながります。

コラーゲンやヒアルロン酸は、肌に浸透して役立つのではなく、肌の表面にて働くものです。スキンケア化粧品で肌を若返らせることはできませんが、こうした正しい知識を知った上でコラーゲンやヒアルロン酸を使用すれば問題ありません。

生活習慣の改善も大切

肌の細胞は30歳を過ぎた頃から老化します。何歳からでも肌の老化を遅らせることができますので、スキンケアをあきらめないでください。

肌の細胞の劣化をもたらすのは乾燥や紫外線などの外的要因だけではありません。加齢や食事、ストレスなどの内的な要因もあります。こうした要因から肌を守るためには生活習慣の改善が必要です。

ワセリンや馬油を保湿アイテムとして使うのも可

ワセリンは高い保湿力を発揮

スキンケアの保湿アイテムはなんでもいいといっても、大切なのは自分の肌にあったものを使うことです。ひとりひとり肌の状態が違うのですから、使う保湿アイテムも違っていていいのです。そして、スキンケアはワセリンや馬油だけという人もいます。

保湿に役立つスキンケアアイテムとして、ワセリンがあります。ドラッグストアで手軽に購入することができます。

ワセリンがおすすめの理由
  • 自然素材である石油を原料に作られている
  • 日本薬局方の白色ワセリンは、品質が保証されているのに数百円で購入できる高コスパ
  • 皮膚科で処方される軟膏などのベース素材にもなっているほどの安全性

ワセリン自体には保湿アイテムが含まれているわけではありませんが、塗ると皮膚表面に油の膜が張ったような状態になり、皮膚内部からの水分の蒸発を防ぐことができ、高い保湿力を発揮してくれます。

まさに、保湿の役目をしっかり果たしてくれるアイテムなのです。ワセリンは肌の滑りを良くしますので、マッサージクリームとして使ってもOKです。

ただし、ワセリンはあまり塗り過ぎると脂っぽくなり不快に感じる人もいます。使用量については自分で調整が必要です。

ワセリンの塗り方
  1. 少量のワセリンを指にとって、手のひらに塗る
  2. 人肌に温めてから顔にのばす
  3. 手を顔に押し当て上から軽く押さえる
  4. 顔の上で伸ばすのはNG

馬油

馬油も非常に一般的な保湿アイテムです。すでにスキンケアに取り入れている人も多いのではないでしょうか。食用馬のたてがみや腹部から採取した皮下脂肪を主な材料として作られています。

もともとは、火傷や切り傷、肌荒れなどの治療薬として中国で広く利用されてきたものです。

馬油に含まれる油は不飽和脂肪で、人の脂肪成分に似ているため、肌の馴染みが良いともいわれています。スッとなじみ、ベタつき感はそれほどありません。馬油は肌質や体質によって合わない場合もあるので注意してください。

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