男性はニオイやすい傾向
男性は基本的に汗と皮脂の分泌量が女性よりもずっと多く、誰もがニオイやすい傾向にあります。顔と体を毎日洗っている人であっても要注意です。
ニオイが強く発生しやすい部分は、ワキをはじめ、頭皮や首筋、耳の後ろにもあります。夜の入浴時はもちろん、朝の洗顔時にも、洗顔料の泡を耳の裏から首筋までつけて洗いましょう。
- ワキ
- 頭皮
- 首筋
- 耳の後ろ
ニオイは記憶に残ってしまう
道や電車やエレベーターで、思わず息を止めてしまうようなニオイに、心地悪くなった覚えはありませんか。
自分が思う以上に、人は他人のにおいに敏感です。部分ごとにニオイをチェックして、自分もまわりも心地よく過ごせるようにしたいです。
嗅覚のストレスは無意識に作用する
ニオイは無形で、目に見えません。だからこそ、細心の注意が必要です。
衣服や髪型など、目に見える部分であれば「ネクタイが曲がっている」「髪が跳ねている」と、注意してくれる人もあるでしょう。それは、言われた側も、指摘された部分を見ればその状態がわかり、納得でき、理性的に対応し、すぐに直すことができるからです。
しかし、ニオイには形がないうえに、個人的な好みが反映されやすく、身体的特徴に限りなく近い扱いのものです。このため、たとえそのニオイが不快であっても、注意してムッとされたら困ると思い、たいがいの人が口を閉ざします。
印象に大きな影響を及ぼす体臭
そんなデリケートな扱いのニオイは、その人の印象に大きな影響を及ぼします。というのも、嗅覚とは、理性ではどうしようもない、無意識下に働きかける一番生理的で動物的な感覚だからです。
不快なニオイをかいだとき、人間は「くさい」と反応しますが、この「くさい」という感覚は時間とともに消えていきます。自分を守るために脳が働き、「慣れる」わけです。
しかし、「くさい」と感じることがなくなっていても、実際にそのニオイがし続けている間、ずっと脳では無意識に不快だと感じ続けているのだそうです。そのストレスたるや、恐ろしいものです。
そして、そのストレスを感じさせた相手に対して、受取側の人は、頭ではその当人を「有能で素晴らしい人」だと理解していても、無意識の領域では、また会いたいとは思えなくなってしまうのです。
これが、大きなビジネスチャンスだったとしたら、ニオイを発した本人は、大変な損失を自ら作ってしまったことになります。
体臭予防に大切なのはデオドラント
ニオイ対策として大切なのが、デオドラントです。嫌なニオイを防ぐことができれば、相手に不要なストレスを与えることはありません。好ましくないニオイの代表格は、以下の4つです。
- 汗と皮脂が混ざったニオイ
- 衣服のニオイ
- 口のニオイ
- 足のニオイ
それぞれ対策がありますので、一つ一つ抑えていきましょう。
汗や皮脂などによる体臭の原因
汗は時間が経って雑菌が繁殖することでニオイを発する
汗がニオイそのもののように思われていますが、そうではなく、時間が経って雑菌が繁殖すると異臭が発生します。
そのため、汗をかいたら、すぐに洗ったり拭き取ったりして、乾かして、清潔に保つことが大切。事前に制汗剤を使っていても、汗をかいたなと思ったら拭き取るタイプの制汗シートでこまめに拭き取りますと、夜になっても体臭が気にならないはず。日中外回りをしている人は、特におすすめします。
汗の他にも、皮脂が分泌する要因は様々で、脂質の多い食事や、寝不足やストレスでも皮脂の原因となります。汗をかきにくい生活をしていても、以下の点に気をつける必要があります。
要因1.脂質の多い食事
身体の中に余分な脂が多いほど皮脂が分泌されます。脂質の多い食事を控え、肉やバター、チーズなどの動物性タンパク質をとりすぎないことも有効です。
要因2.寝不足やストレス
寝不足やストレスも皮脂分泌を増やしてしまう原因に。朝まで遊んでしまったとき、顔や身体の汗がベタついて、不快なにおいを放っていたことはありませんか。
ストレスや不適切な生活習慣によって体内に活性酸素を発生させます。これらの物質が皮脂を過酸化脂質に変えて、悪臭の連鎖反応をもたらします。
疲労や過度なダイエットもニオイの原因
汗や皮脂だけでなく、疲労が強いときには汗の中にアンモニアと乳酸が増えるため、これもニオイの原因となりえます。さらに、極端な糖質制限など、過酷なダイエットを行っても、同様の状況になると考えられますので注意が必要です。
アルコールやタバコは汗を臭くする成分に
アルコールは体内で代謝されますと、汗を臭くする成分に変わります。お酒を大量に飲んだ次の日の、独特のニオイはアルコールが原因です。さらに、アルコールやタバコは発汗を促してニオイを増大させてしまいます。
体臭予防のための入浴法と日中の対策
女性より男性の方が汗と皮脂の分泌が活発なのでより対応が必要
まず、汗や体臭。日常生活をおくるうえで汗をかくのは普通のことです。暑い季節にはクールビズが定着したとはいえ、重要な場面ではやはり正式なスーツスタイルが求められ、余計に汗をかく要因となっています。
しかも、男性は女性よりも油分の分泌と発汗が活発です。この汗と皮脂が、体臭の主な原因になります。
今や、食生活の欧米化で、日本人の体臭もかなり強くなっています。「日本人は体臭がない」と言われていたのは昔の話です。体は食べたもので作られますので、動物性脂肪分を多く摂取すれば、体臭も欧米人並みになってくるのは当然の結果でしょう。
清潔な体でバクテリアの繁殖を防ぐ
真夏など汗をかきやすい季節には、朝シャワーを浴びることをおすすめします。夜にお風呂に入っていても、寝ている間にかいた汗を流すためです。
そして、清潔な体にデオドラントを使用し、体臭の元になるバクテリアの繁殖を防ぎます。さらに、制汗剤で発汗しやすい部分の汗の量を抑えます。これが体臭ケアの基本になります。
汗と皮脂をこまめに拭き取る
日中は、ニオイの原因となる汗と皮脂を、時間が経たないうちにこまめに拭き取ります。体のニオイの原因である汗と皮脂は、早めの対策が効果的です。
体の汗や皮脂が出やすい脇や首筋などはデオドラント効果のある専用シートを使って拭き取るといいでしょう。そして、夜はゆっくり入浴し、毛穴を開かせ、その中の汚れもきちんと洗い流すようにしましょう。
健康な生活習慣を心がける
疲労やストレスについては溜め込まないことが大切です。食事では糖質もほどほどに摂った方がエネルギー代謝はよくなるでしょう。
アルカリ性の食品を摂るのもいいことです。アルカリ性の食品といえば、グレープフルーツをはじめとするフルーツ類、酢、梅干し、海藻類や野菜全般が真っ先に挙げられます。
特にクエン酸の豊富な食品を増やせば、クエン酸による機能改善を期待できます。
ダイエット時のニオイを防ぐ
ダイエットが原因となるニオイについては、適度な運動が効果的です。運動によって血中に増えるケトン体をきちんと消費するのが、ダイエット臭の予防につながります。
衣類のニオイ対策
自身のニオイや生活臭には気づきにくい
友人の家へ遊びに行きますと、それぞれの家庭で別のニオイがあることに気づきますよね。でも、自宅ではそれがわかりません。これは、嗅覚に順応性があるからだそうです。
言い換えれば、人間なら誰しも、自身のニオイや生活臭には気づきにくいです。だからこそ、予防する習慣が必要なのです。
衣服のニオイの正体は汗で衣服が湿ったときに繁殖する雑菌のニオイ
夏、街中や電車の中で漂ってくる不快なニオイがあります。その正体は、汗で衣服が湿ったときに繁殖する、雑菌のニオイです。特に、日本のように夏が高温多湿な地域では、要注意です。
特に、スーツに染み込んだ汗のニオイもなかなか取れないもの。夏場は汗抜きクリーニングを定期的に行うことが大切です。
衣服のニオイ対策で体臭予防
衣服のニオイに対処する一番の方法は、毎回風通しの良い場所に洗濯物を干すことで、洗濯が頻繁にできない衣服については着た後に固く絞ったタオルなどで、汗で湿っている部分を叩くように拭き、陰干しでしっかり乾かすことです。
しかし、それでもなんだか気になったり、自分ではニオイがわからなかったりして不安な場合には、布用消臭スプレーを使うといいでしょう。
一日着た服を夜脱いだときや、翌日に着る衣服を用意する際に、まず気になったらスプレーをして、乾かしておきましょう。
生乾き臭に注意
部屋の中や、夜に洗濯物を干す機会が多い人は、衣類の生乾き臭に注意。少しでも湿ってているままに着てしまいますと、いわゆる「部屋干しの生乾きのニオイ」に代表される、ジメジメとした不快なニオイがついてしまいます。
これは湿気のある場所にニオイの元凶である細菌が繁殖するためです。着替える前に自身で衣類のニオイを嗅いでみて、少しでも不快な感じがしたら洗い直しましょう。
最近では生乾き臭を防ぐ抗菌洗剤もありますので、部屋の中に洗濯物を干す人や、夜に洗濯する人はそれらを活用するのも手です。
口臭対策
原因は雑菌の繁殖と口内の炎症
口のニオイは、口の中に雑菌が繁殖していることや、歯肉が炎症を起こしていることが大きな原因。タバコのヤニや、歯の磨き残しは雑菌の繁殖の手助けに。
正しい歯磨きができていませんと、歯垢がたまり歯肉を炎症させてしまうことに。定期的に検診に行くなどして、口の中の衛生面にも気を配りましょう。
唾液の量にも注意
ストレスやよく噛まないことなどの原因で、唾液の量が減り、雑菌が増えることもあります。暴飲暴食や不規則な食生活で胃の調子がくずれていることで、胃からにおいを発することもあるので注意してください。
足のニオイ対策
最も汗をかく足の裏は雑菌が発生しやすいため体臭となりやすい
なぜ足はニオイを発生させるかといえば、汗です。足の裏と手は、体の中でもっとも汗を多くかく部位。さらに足は、一日中靴を履きっぱなしにするなどで蒸れやすい環境にあります。
足が蒸れますと、角質がふやけて雑菌が繁殖し、においを発するようになります。また、足の爪をのばしますと、爪の下に角質がたまり、これもにおいの原因になります。
対策は毎日キレイに洗うこと
基本は毎日お風呂で、足の裏や指の間、爪の端までしっかり洗うこと。専用のブラシなども出ているのでそれを利用するのもよいでしょう。ニオイのもとになるポイントを徹底して洗うのが、一番の予防策です。
また、汗の量が多い人は中敷きを採用しましょう。汗を吸い取り、蒸れを防止、においも取り除いてくれるタイプのものを選びましょう。
靴が原因となることも
キレイにするのは靴の中も同様です。靴は毎日同じものを履かず、2日程度間を空け中身を乾燥させ、消臭スプレーを使うと良いでしょう。
毎日同じものを使い続けるよりも、靴の休息日を設けたほうが靴は長持ちします。
靴下を清潔にすることも大切
また、靴下の洗濯も重要です。きちんと洗濯して乾かすことだけでなく、定期的に滅菌洗剤を用いたり、熱湯 に漬け込んだ後に洗濯をしたりと、菌を増やさない工夫を行いましょう。
とはいえ、どうしても菌は残りやすいものです。足のニオイが気になる人は、靴下は消耗品と割り切って、数ヶ月に1回すべての靴下を捨てて新しいものを用いると良いでしょう。