はじめに
繰り返しいくつもできるニキビ。ひどい場合はクレーターになってしまうので根本的に解決しましょう。ニキビは過剰な皮脂分泌によって常在菌のバランスが崩れてできるもの。だから正しい洗顔で肌を清潔に保つことが大人のエイジングケアとしては非常に重要です。
大人もニキビで悩んでいる
30代、40代でもニキビに悩んでいる人は少なくない
体調がよくなかったり、暴飲暴食をしたりした翌日、鏡を見るとニキビができているようなことを、だれもが一度は経験したことがあるのではないでしょうか?ニキビのある肌は、清潔感がなく、やはり印象の低下につながります。
よく、ニキビは青春のシンボルなどといわれますが、10代、20代の人のみならず、40代の男性でも悩んでいる人は少なくありません。
男性用のニキビ用化粧品も売れているように、それだけ「自分で治したい」というニーズも高いということなのでしょう。
なぜニキビができるか~ニキビの原因を探る~
ニキビは、だれもが一度は経験したことのある非常に一般的な肌トラブルです。それなのに、ニキビができる理由やしくみを理解している人は非常に少ないようです。なんといっても、理由やしくみを知ることが的確な解決法となります。
きっかけは毛穴の出口が塞がること
ニキビは皮脂多寡だからできる、そんな単純なものではありません。その証拠に、乾燥肌の人でも大人ニキビはできるのです。また、皮脂の少ない箇所にだけできる人もいます。
ニキビは、皮脂の量よりも、皮脂が外に出ていかず中にたまってしまうことが問題です。
毛穴の出口の角質が厚くなって毛穴がふさがれると、中に皮脂がたまり、細菌(アクネ菌)が過剰に繁殖して、炎症を起こす、それがニキビの真の姿。何より良くないのは、毛穴がつまることです。乾燥している部分にでもニキビができるのはこのためです。
ニキビはどんな肌質の人でもできる可能性がある
ニキビはオイリー肌だけのものではありません。ドライ肌やオイリードライ肌でも毛穴がつまればニキビになる可能性は大です。
最も危険なのは、一見テカったりベタついたりしているようで、その一方、肌は乾燥している…、そんなどっちつかずなオイリードライ肌かもしれません。
10代のニキビの原因は余分な皮脂が原因
なお、10代のニキビのほとんどは、余分な皮脂が原因。遺伝的にニキビができやすい体質であることも。この場合は、しっかり洗顔して皮脂を落としつつ、油分のない化粧水や美容液でケアしましょう。イオウなどの皮脂を減らす薬が有効です。
昔から「アクネ菌がニキビの原因菌だから殺菌すべき」という考え方があるようです。たしかに毛穴の中で繁殖してしまうとニキビを悪化させる一因になりますが、アクネ菌はそもそも皮膚の常在菌です。
肌表面のバランスを正常に保つ働きを担っているので、すべて殺菌してしまうわけにはいかないのです。
食べ物が原因でのニキビも存在する
ニキビは主に、皮脂分泌が盛んになり、毛穴が詰まってしまうことによって起こります。チョコレートやココアなどの油分の多い食べ物、あるいはコーヒーなどの刺激物をとるとニキビができるといわれます。
これは必ずしも全員に当てはまるわけではありませんが、心当たりのある人は、少しの間それらを控えて様子を見ましょう。また、アルコールの過剰摂取も、ニキビにはよくありません。
洗顔のしすぎにも注意
ニキビのケアの基本は、やはり洗顔です。ただし、洗いすぎは皮膚のバリアを壊し、かえって悪化させてしまいます。
必要以上に何度も洗顔したり、刺激の強いものを使ったり、時間をかけすぎてしまうと、必要なうるおいまで失ってしまうことになります。さらに、うるおいが不足すると、肌が乾燥して角質が硬くなり、毛穴の出口がふさがってニキビが悪化することになります。
そのため、余分な皮脂は落としても、必要以上のクレンジングや洗顔はNG。ごしごしと刺激を与えるのもNGです。洗顔時のフェイスラインや生え際、あごまわりのすすぎ残しは、ニキビをつくりやすく、悪化させやすくするので注意してください。
また、ニキビを正しくケアしないと、ニキビ跡が顔に残ったり、将来のシミの原因となったりすることがありますので、正しいケアが必要です。
油分の多いクリームやオイルが原因となることも
肌が乾燥すると毛穴をふさいでしまうので、化粧水だけではなく、乳液やクリームを使って保湿を。肌をやわらかく保つことが大切です。ただ、油分の多いコスメはアクネ菌の栄養になるため、油分の多いクリームやオイルは控えましょう。
また、毛穴の出口が硬くなり、狭くなってしまうとニキビができやすくなるため、普段から、比較的マイルドなもので、週1~2回の角質ケアを忘れずに。
ニキビができるまでの流れ
表面に見えていない時期からケアすることが大切
ニキビは、ある日突然発生したように思えますが、もちろんそんなことはありません。ニキビのできるプロセスは噴火に似ています。マグマが地下で沸々と燃えたぎっているかのように肌内部で炎症が起こり、それが肌表面にボンと噴火するように出てくるのです。
肌上に出るのは最終段階であり、肌内では沸々とある程度の期間かけてできているのです。
この、表面に見えていない時期からケアすること、すなわち「予防」が、ニキビケアの最重要事項。ニキビができてから、つまり噴火してしまってから治すのは、より大変になるからです。
突然現れたように思えるニキビも、実は左のような段階を経て成長してきたもの。すべてのニキビが第四段階まで進むわけではなく、途中で治るケースも。
第一段階:ニキビのでき始め
男性ホルモンや皮脂の分解産物の影響で、角層が角化異常を起こし、毛穴の出口が狭くなります。
第二段階:毛穴内が炎症する
ニキビができる毛穴の出口が狭くなると、皮脂が毛穴の中にたまり、それをエサにアクネ菌が繁殖して、毛穴内は炎症を起こします。
第三段階:炎症が起こる
炎症が起こると、毛穴のまわりまで赤く腫れ上がります。毛穴の中やまわりに白血球が集まり、アクネ菌を攻撃し始めます。
第四段階:ニキビ跡ができる
炎症が進むと、毛穴の壁が壊れて炎症が広がることも。このように炎症が強くなりすぎることで、凹んで跡が残ったりします。
大人ニキビという存在
大人ニキビができる原因は免疫力の低下やホルモンバランスの乱れ
20代からできるニキビは「大人ニキビ」と呼ばれています。20代からできる理由としては、体内バランスの乱れ、要するにホルモンバランスの乱れや免疫低下などといわれています。オイリー肌からドライ肌まで、肌質など関係なくできるのが特徴です。
この原因は、ストレス、睡眠不足、運動不足、生活リズムの乱れや刺激物などによる胃腸の荒れなど、生活のあらゆることが影響しています。
そのほかにも、手で顔を触ったり圧迫するくせがあったり、タオルや枕が清潔でないなどの原因も。たとえ昔からの習慣であっても、肌に悪そうな習慣はすべて改善していくことが大切です。
大人ニキビ々の特徴
この大人ニキビには、10代のニキビとは違う大きな特徴が2つあります。
特徴1.治りにくく痕が残りやすい
1つはできる部位が異なる点。とくに、あご周辺にできやすく、10代のニキビと違ってウミや熱を持つ大きめのものもできやすくなります。痕や色素沈着も残りやすいのが特徴です。
クレーター状の陥没が残るのは、必ずしもつぶしたためではありません。炎症が強くなりすぎると、どうしても凹みやすくなります。
特徴2.睡眠不足やストレスで悪化する
もう1つは、睡眠不足やストレスで悪化するという点です。食生活ももちろんですが、それよりも睡眠のほうがはるかに大きく影響します。
この場合は、とにかく規則正しい生活を。特に免疫力を下げないよう、睡眠はしっかりとることです。毎日同じ時刻に同じ時間の睡眠をとることで、肌を再生させてくれる美肌ホルモンの分泌がスムーズにはたらきます。最低でも6時間は眠りましょう。
ニキビが慢性化している人は皮膚科を受診する
治療したい人は多いのにニキビの改善がなかなか進まない理由としては、ニキビの原因はあまりにも複雑にからみあっているので、原因を簡単には特定できないケースが多いのです。
ニキビが慢性化している人は、スキンケアだけでは治らないことが多いため、皮膚科で早めに受診してください。
大人のニキビ痕は残りやすい
ニキビ痕は意外と残りやすいもの。そうならないよう、普段からのケアを心がけましょう。
大人のニキビは、若い頃より肌の代謝力が落ちていることもあって治りにくい
よく大人になったらニキビはできないと言いますが、そんなことはまったくありません。たしかにニキビは過剰な皮脂が原因でできますから、皮脂分泌が活発な若い世代が悩まされやすいトラブルです。
でも何歳になっても、皮脂が大量に分泌されていたりストレスなどで皮脂バランスが崩れたりすれば、ニキビはできます。
とくに大人になると、若い頃より肌の代謝力が落ちていることもあって治りにくいもの。ニキビはこじらせるとクレーターになってしまいます。ですからただ洗うのではなく、肌の代謝力を高める洗い方をしてあげなければなりません。
ニキビ跡のシミが残った場合
ニキビが茶色く残ったものは時間の経過や紫外線の影響で消えるものもあれば、消えないものも。ビタミンC、プラセンタ、ハイロドキンなどの美白コスメでケアがおすすめ。クリニックで早い改善も可能です。
赤みが残った場合
炎症の赤みが残った場合は、ビタミンCのイオン導入などがおすすめ。何年も何十年も、ニキビ痕が残ることがあります。この場合は、クリニックでのレーザー治療が効果的です。
陥没が残った場合
残念ながら完全に戻すことはできません。でも、クリニックでの治療で、かなりの効果が期待できます。EGFやプラセンタ、ビタミンCでのケアも取り入れましょう。
ニキビになりやすい肌質とは
ニキビのきっかけは毛穴が塞がれることです。オイリー肌、ドライ肌、オイリードライ肌のいずれでもニキビの可能性があります。
では、なぜ毛穴の出口は塞がれてしまうのでしょうか?実は、毛穴を通行止めにする張本人は古い角質です。角質は本来なら自然にはがれ落ちていくものですが、様々な要因によってなかなかはがれ落ちずに毛穴のフタとなって出口を封鎖してしまうのです。
乾燥肌
肌が乾燥していると、いつまでもくっついたままになって、毛穴の周りにたまりがちになることです。
これが、肌が乾燥しているのにニキビができる乾燥ニキビの原因。大人のニキビともいわれます。そのため、ドライ肌でも、乾燥を放置して肌荒れに近い状態にしていますと、ニキビができやすいのです。
オイリー肌
一方、オイリー肌は皮脂の量が多いため、古い角質と皮脂が混ざって固まった角栓が、毛穴の出口を渋滞させる迷惑車両に。そんなオイリー肌は角栓の除去と皮脂のコントロールが必須となります。
ストレスが多いと、ニキビができやすい
心と体が興奮状態だと、男性ホルモンが増加して、皮脂が増えてしまう
忙しく働いて、常に心と体が興奮状態にあると、男性ホルモン(=アンドロゲン)が増加して、皮脂が増えるとされています。
そもそも皮脂の量はアンドロゲンに大きく左右されています。ストレスフルな生活を送っていますと、ニキビができてしまうというわけです。
皮脂の量が増えても、毛穴の出口に渋滞がなく、スムーズに外に出ていければいいのですが、毛穴の出口が封鎖されていますと、ニキビとなります。
ニキビは皮脂の量の多い少ないより、毛穴の出口が塞がれることのほうが問題だからです。そのため、ストレス過多な上に、お手入れ不足が、最悪のパターン。顔を洗わず日焼け止めを落とさずに寝るのはもってのほかです。
ストレスをためないように気持ちの切り替えとリラックスを心がける
ストレスニキビにならないためにも、仕事はバリバリしてもストレスはためないように、気持ちの切り替えとリラックスを心がけましょう。
また、いくら時間がなくても、スキンケアを化粧水だけで終わらせたりせず、しっかり乳液かクリームまで使って、肌が乾燥しないように気をつけることが大切です。
ニキビと吹き出物の違い
できる原因も状態もまったく異なる
ニキビは皮膚の常在菌であるアクネ菌が皮脂に繁殖してできますが、吹き出物は、肌の中で老廃物が固まり、それが膨らんだもので痛みが伴うことも。たまに菌と結びついて膿んでしまうこともあります。
このように吹き出物は、その原因が肌の内側からによるところが大きいもの。そのため、完全にできないようにするのは難しいですが、古い角質や皮脂汚れをきちんと取り除いていれば、肌内にたまる汚れは減りますから、当然吹き出物もできにくくなるはずです。
万一できてしまったときも、正しい洗顔で肌のターンオーバーを促していれば、治りも早いと思います。
ニキビの予防には皮脂の分泌を抑える食事がポイント
ニキビは、体内バランスの乱れから、毛穴の出入り口がふさがれてしまう角化異常を起こすことから始まります。予防は、皮脂の分泌を抑える食事がポイントになります。
ニキビ予防のためにとりたい栄養素は、毛穴ケアと同様、皮脂の分泌を抑える効果のビタミンB1とB2。さらにビタミンCもその一つです。血流を改善することで、角化異常の発生や色素沈着を防ぐのに役立ちます。
また便秘もニキビの原因となります。スムーズなお通じのために食物繊維を積極的にとりましょう。