日焼け止めに使われる指標を知っておく
紫外線対策の基本は、日焼け止めクリームの使用です。日焼け止めには、「SPF」「PA」という指標があります。単語の意味は後ほど説明しますが、「SPF」はUV-Bをカットする力、「PA」はUV-Aをカットする力です。
- SPF
- UV-Bをカットする力
- PA
- UV-Aをカットする力
SPFは20、30といった数値で、PAは+でその力が表され、PAは+が多くなるほどその力は強くなります。
なお、日焼け止めは、SPF・PAの数値が大きければよいというわけではありません。
SPFとは
そもそもSPFとは、日焼け止め(日焼け止め効果のあるメーク下地も同じ)を塗ったときに、何も塗らないときと比べて、UVBを何倍防げるかを示す数値です。
SPFは20から50の数値で表されています。最大値は50で、それ以上を50+と表示します。数値が高いほど日焼け止め効果が高いということ。日常なら10-20前後、外で過ごす人や赤くなりやすい人は30くらいが目安です。
例えばSPF2だと、この赤くなるまでの時間を2倍の40分まで引き延ばすことができます。日本人の平均では、20分間紫外線を浴びますと、肌が赤くひりひりする状態になるといわれています。
10なら10倍に。SPF50なら日焼け止めを塗らないときと比べて50倍の時間紫外線を防げることに。
PAとは
PAとは真皮まで届き、ダメージを与え、タンニング(=黒くなる)や老化を促進するUV-Aをカットしてくれる単位。数値ではなく「+」の数で効果を表現します。
- 「+」 黒くなるまでの時間を2~4倍に引き延ばす(効果あり)。
- 「++」 4~8倍(かなり効果あり)。
- 「+++」 8倍以上(非常に効果あり)。
日常なら「++」くらい。紫外線が強い場所にいるときや、紫外線を浴びる時間が長いときは「+++」をえらびましょう。
理論値だけだと長時間紫外線を防げるが…
ちなみに、SPFが最大値の50なら、理論上1250分間(16~20時間)、UV-Bを防げる計算に。
しかし、これはあくまで計算上の話。いくらSPFやPAの数値の大きい日焼け止めを使っても、汗や皮脂で日焼け止めは落ちていきますので、この時間通りの効果はありません。
そもそも、真夏に一日16時間以上も外にいる人なんてめったにいませんし、そんなに長く外にいたら汗で日焼け止めは落ちます。どんなに高いSPFの日焼け止めを使っていても、途中で何度か塗り直さなければ、紫外線に負けてしまいます。
タイプ別選ぶべき指標
- 外に出ることの少ない人
- 「SPF20前後」「PA++」の商品を使用するとよいでしょう。
- 外回りが多い人や長時間外にいることがある人
- 「SPF30-50」「PA+++」以上の商品を用いましょう。
製品のくずれにくさも日焼け止めの大切な要素
実は、日焼け止めはSPF・PAの数値の大きさも大切ですが、製品のくずれにくさのチェックもとっても大切。海水浴や晴天時のスポーツなどのときには、汗や水に強いウォータープルーフなど、くずれない機能の高いものを選ぶようにしましょう。
たっぷり均等に塗って肌と一体化させることで落ちにくくなる
塗る際にも、たっぷりとムラなく均ーな膜をつくり、肌に完全に一体化させるなど、落ちにくい使い方を行いましょう。
頬骨、おでこ、鼻などは出っ張っているぶん陽に当たりやすいため、重ね塗りでしっかり守ることが大切です。特に頬やこめかみは、シミのできやすい部分でもあります。特に日焼け止めをたっぷり塗りましょう。
目尻や小鼻のキワ、口まわり、あごやフェイスライン、耳、デコルテ、首まわりも塗りもれがないように。
こまめな塗り直し
大半の日焼け止めは、2~3時間で効果がうすくなり、汗などで流れ落ちることもあるため、こまめに塗りなおすことが必要です。また、1度塗りだけではなく上から重ねるようにして、厚く塗ります。
最低でも1日1回、崩れやすい人は2~3回は必要です。全部直すのが難しいときは、出っ張っている部分や崩れた部分だけでも塗り直しましょう。
夏の野外活動をする場合は回数を増やして、1時間ごとに塗り足しや塗り直しをするのがベストです。
落としやすさも選択時の要素
落ちにくい日焼け止めを大切です。ただ、寝る前には日焼け止めを落とすことも大切です。というのも、日焼け止めは肌に長時間つけたままだと肌に負担をかけてしまいます。
別ページにてクレンジング方法について紹介しておりますので、参考にしてください。
落ちにくい日焼け止めはそれなりに肌に負担をかけてしまいます。特に、ウォータープルーフタイプのものは通常の洗顔では落とすことができず、クレンジング剤を用いることとなりますので、それはそれで肌への負担となります。
帰宅後日焼け止めを落としやすいものを選ぶのも一つです。紫外線が強くない時期であれば、洗顔だけで落とせる日焼け止めを選び、細かに塗り直すことが良いでしょう。
成分に紫外線反射剤入り日焼け止めがおすすめ
日焼け止めに配合されている成分には「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の二種類があります。
日焼け止めの成分には、効果が高い代わりに刺激が強く、肌荒れを起こすなど負担をかけてしまう紫外線吸収剤と、紫外線吸収剤と比べてマイルドな代わりに乾燥しやすく、粉っぽくなりがちな紫外線散乱剤があります。
いずれにしても紫外線という外部の敵から肌を守ることが大切です。
紫外線散乱剤 | 肌への負担を第一に考える方や肌の弱い方は、紫外線吸収剤を配合させていないものがおすすすめ。「紫外線吸収剤不使用」「紫外線吸収剤フリー」「ノンケミカル」と表示されています。 散乱剤の基材は酸化亜鉛、酸化チタンなどいくつかあり、どれも紫外線を皮膚の表面で跳ね返す作用があります。反射剤の成分の影響で白っぽく見えやすいのが欠点といえます。 |
紫外線吸収剤 | 紫外線吸収剤は、メトキシケイヒ酸オクチル、サージメチルPABAオクチル、フチルメトキシサージベンゾイルメタンなど、これもいくつかの成分があります。 吸収剤そのものが紫外線を吸収することで、肌の奥への紫外線浸透を阻むのですが、肌の表面に紫外線を取り込むことにつながるため、あまりおすすめできません。 |
紫外線は夏だけでなく1年中降り注いでいる
季節に合わせて日焼け止めを選ぶ
紫外線は、夏に注意するだけでは不十分です。紫外線は一年中降り注いでいます。
- 春先
- 春先から急に増え始め、UVAは5~6月には真夏と同程度に、UVBも真夏の8割程度の量になります。
- この時期の日焼け止めは通常期よりも効果の高い物を選ぶようにしましょう。
- 秋・冬
- UVBが減少しますので、肌の赤みや痛みが起きることは少ないです。
- ただ、真皮にまで届くUVAは夏の半分程度の量がありますので、気づかないうちに肌を傷つけてしまいます。
- 冬の曇り
- 冬の曇でも紫外線は肌に届くと考えてください。
- 特に冬は肌が乾燥しやすく、肌のバリア機能が崩れているときも紫外線のダメージを受けやすいですので、冬も対策が必要です。
紫外線を防ぐ工夫や、紫外線を防ぐスキンケアは、季節や天候を問わず行いましょう。
反射光でも日焼けは生じる
日焼けは直射日光だけではなく、スキー場や雪山、アスファルトの多い場所で起きる反射光でも生じます。反射光で焼ける部分の皮膚は、普段日光を受けない部分でより大きなダメージを受けます。バカンスやアウトドアを楽しむ際は、とくに気をつけましょう。
日焼け止めを使うなら知っておきたい注意事項
数値の高いものほど肌への刺激が強い
できるかぎり紫外線をカットしたいと、数値の高いものを選びがちですが、日焼け止めは数値の高いものほど肌への刺激が強いのです。肌への刺激が強いと、肌荒れを起こすなど負担をかけてしまいます。
また、強めの日焼け止めはきちんと落とさないと肌への負担となります。ので、クレンジング剤を用いて落とすことが必要です。
SPF30の日焼け止めにSPF30の日焼け止めを重ねて使えば、SPF60になるか
日焼け止めの性能は単純な足し算ではなく、30+30=60ではありません。SPFはその製品ごとに判定するものです。
違う製品どうしのSPFは、単純に足し算では考えられない、というのがその理由です。
数ある日焼け止めは、それぞれに紫外線をカットする仕組みが違いますので、単純に比較できません。、1+1=2の計算が成り立たないす。
とはいえ、高SPFを重ねて使えば紫外線防止効果は向上します。朝の洗顔時に日焼け止めを塗った後、外出前に更に重ねて塗ることで効果が上がります。
日焼け止めは、使用量を守らなければ、期待どおりの効果を発揮してくれない
多くの男性は、普段使っている日焼け止めの量では適量の半分も使っていません。
基本的に、顔全体を守るには、1平方センチメートル当たり2mgずつの量が必要です。具体的には、ミルクタイプは500円玉ほど、クリームタイプはパール粒2つ分です。
日焼け止めは、使用量を守らなければ、期待どおりの効果を発揮してくれません。それぞれ使用量を確認して、少し多いくらいの量を使う気持ちで丁度いいぐらいです。