男の肌は隠せない
肌は見られている
あまり意識されていませんが、私たちは、日常の中で、何気なく相手の肌を見て印象を判断しているものです。
そして、顔は隠すことができません。突き出たお腹や体型は、洋服を着れば目立ちません。薄毛についても、かつらやつけ毛を着ければ、隠すことができるでしょう。
しかし、顔だけは隠すことができません。サングラスや帽子、マスクで隠すことは可能ですが、職場でサングラスや帽子を装着するのはなかなか難しいものです。
女性であれば、ある程度、化粧をして隠したり、ごまかしたりすることもできますが、男性はそれもできません。男性は常に素肌で勝負しなければならないのです。
肌は隠せないからスキンケアを徹底する
印象を大きく左右する要因であるにもかかわらず、それを隠せない、ごまかせません。それを知って私たち男性は「スキンケア」をすることが大切です。スキンケアを徹底して、常に清潔感のある肌をキープすることが大切です。
今、あなたの肌を鏡で見てみてください。肌がテカっていませんか。カサカサで粉をふいていませんか。吹き出物ができていませんか。目の下にクマができていたり、肌がくすんでいたりしませんか。シミやシワ、たるみが目立っていませんか。
それは、あなたがケアを怠ってきた証拠です。でも、安心してください。そういう人こそ、しっかりとスキンケアをはじめれば、明らかな違いを実感できます。
男の肌は乱れやすい
気をつけていないだけたちが悪い
肌荒れや肌のくすみに気を配っている女性は多いのですが、男性の多くはそれらに細やかに気遣いをしている人はそう多くはありません。
女性は肌に敏感で、気をつかっています。しかし実際は女性より男性の肌のほうが乱れやすいです。基本的な肌の構造は男性も女性も同じですが、生活習慣やホルモンの違い、遺伝的な要素で、その性質は異なってきます。
たとえば、男性の肌は女性の肌よりも水分蒸散量が多く、そのため、肌の水分量は女性の半分以下とされています。水分量が低いために、それを補おうと「皮脂」の分泌が多いことも特徴の一つ。
皮脂が多いのでテカリが目立ちやすい
毛穴の中に存在する皮脂腺から分泌される「脂」が「皮脂」です。皮脂と汗腺から分泌される汗とが混ざりあって肌の上に皮脂膜をつくり、この皮脂膜が肌にうるおいを与えているのですが、過剰に分泌されますと、いわゆる「テカり」が目立つようになります。
また、皮脂が多くなりますと、毛穴が大きく開き、いつも清潔にしておかないと汚れが詰まりやすくなって、ニキビや吹き出物の原因となります。
皮脂は加齢臭の原因
さらに皮脂は、空気に触れると酸化し、独特のニオイを発します。これが、いわゆる「加齢臭」です。
女性は加齢とともに皮脂の分泌量が低下しますが、男性は年齢を重ねてもあまり減少しませんが、男性ホルモンの影響で、思春期のころから皮脂の分泌が盛んになり、成人する頃には女性の約2倍の皮脂を分泌することがわかっています。
そのため、常に肌は脂性肌に傾いて、汚れやすい状態となり、毛穴のつまりやニキビなどの肌トラブルが多く見受けられるのです。
男性は角質が厚くなりやすいため肌トラブルを招きやすい
さらに男性の肌の特徴として、「角質」が厚くなりやすいことが挙げられます。角質は、肌の一番表面にある層で、水分保持や外部から肌を守る役割がありますが、それが厚すぎますと、反対に様々な肌トラブルを招くことになります。
このように男性は、その特徴から、女性よりも肌が荒れやすいといえます。しかし、悲観することはありません。反対にいえば、荒れやすい分、しっかりとケアをすれば、その分の効果も現れやすいということです。今までケアをしてこなかった人なら、なおさらそう言えるでしょう。
男は肌を痛めつけることが習慣になっている
さらに、男女の習慣の違いも肌トラブルにつながっています。
紫外線対策をやっていない
たとえば男性は、メイクやUV対策の習慣がなく、日常的に直接紫外線を浴びていますが、実は一説では「肌トラブルの約80%は紫外線によるもの」とされるほど、紫外線は肌にとって有害です。一般に、一生の間に浴びる紫外線の量が少ないほど、シミやシワは少ないともいわれています。
紫外線によってシミができるのは、その原因となる「メラニン」をつくりだす、肌にある「メラノサイト」が刺激されるためです。さらに紫外線は、シミやシワだけではなく、乾燥肌などのトラブルも招きます。男性は「紫外線が肌に悪いもの」という意識が女性よりも低いため、知らない間に肌の老化を早めてしまうのです。
ヒゲ剃りで肌にダメージを与えている
また、男性は、毎日シェービングを行う方が多いでしょう。しかし誤った方法では、ヒゲを剃るだけではなく、肌表面の角質や皮脂膜まで必要以上に削いでしまい、外部からの刺激に敏感になるため、肌荒れの原因につながります。
洗顔も正しく行っていない
さらに、洗顔においても、男性は自らの肌を痛めつけています。例えば、お風呂で洗顔料を使って顔を洗う人も多いはずです。ではそのとき、どのようにしているかといいますと、
- 洗顔には3、4分かける
- 洗顔料は、ほとんど泡だてない
- ゴシゴシと強めに洗っている
- 体を洗うときと同じ、熱めのお湯ですすいでいる
のようなものですが、実はこれらは、すべて肌によくない洗顔法です。
洗顔しないほうがいいわけではありませんが、このような洗い方は、肌を痛めつけ、よけいに皮脂分泌を促す恐れがあります。
フェイシャルペーパーでこまめに顔を拭くのは逆効果
皮脂や、ベタつきを気にして、こまめにフェイシャルペーパーで顔を拭く男性も多いのですが、これは、逆効果になることが多いです。
そもそも皮脂には、顔の水分状態を保ち、肌を守るバリア機能があります。頻繁に皮脂を落としすぎますと、肌は自らを守るためにさらに皮脂を分泌するため、よけいに皮脂の出やすい状態を招いてしまうのです。また、直接肌をこする動きをするため、肌を傷つける原因になることもあります。
フェイシャルペーパーを使う回数は2回までとして、拭き取るのではなく優しく押さえるようにして皮脂を取りましょう。
スキンケアの基本は毛穴の汚れを取り去ること
清潔な印象は皮脂の除去から始まる
年を重ねるごとに、男性が大事にしないといけないもの。私は、それは「清潔感」だと思っています。脂ぎった肌や脂ぎった髪はそれだけでその人の印象を悪するもの。清潔な印象をまわりに与えるためには、常に皮脂の除去に気をつかうことです。
ターンオーバー
人間の肌の一般的な仕組みとして、肌は42日で生まれ変わると言われています。
肌の表面にあるのは「表皮」、その下にあるのは「真皮」です。表皮は四層に分かれています。下から「基底層」「有棘層」「顆粒層」「角質層」で、基底層でつくられた表皮細胞は下からどんどん肌表面に押し上げられ、約14日かけて「角質細胞」になります。
そしてそのあと28日ほどかけて、垢としてはがれ落ちます。つまり、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)の周期はトータルで約42日(14日+28日)ということになります。
しかし年齢を重ねるにつれて、ターンオーバーはだんだん遅くなります。古い細胞が新しい細胞に入れ替わっていくことを「新陳代謝」と言いますが、一般的に新陳代謝は年齢とともに低下します。
古い角質がなかなかはがれないと、角質層は厚くなります。そして肌は透明感を失い、くすんでいきます。
皮脂が多いと角栓が増えゴツゴツした印象に
また男性の場合、男性ホルモンの影響で非常に皮脂が多いため、毛穴からどんどん脂が出てきます。毛穴を毎日ていねいにお掃除すれば、次にまた肌をうるおすために脂が出てくるという仕組みです。
しかしこの毛穴のお掃除が不足していますと、脂が角質を巻き込んで毛穴の中で固まってしまいます。これを角栓というのですが、この角栓は毛穴をどんどん開いていきます。
そのため、お手入れの行き届いていない肌は見た目がゴツゴツした印象になり、時には悪臭を放つまでになるのです。
ぬるま湯で洗顔すること
まずは、毎日の、ていねいな洗顔を心がけましょう。
ただ、熱いお湯で洗いますと、熱さのために肌がゆるんで毛穴が開きすぎ、シワができやすくなってしまいます。また皮脂を取りすぎてしまうこともありますので、肌の老比を早めることにもなります。かといって冷たい水で洗いますと、毛穴が縮んで、毛穴の中の汚れが落ちにくくなりますし、洗顔ソープなどの泡立ちもよくありません。
一番いいのは、ぬるま湯で洗顔することです。そして肌に負担がかからないよう、泡で洗う意識を持つことです。洗顔ソープは手の中でよく泡立ててから使いましょう。
男のスキンケアの第一歩は、「偏見」と「知識のなさ」の解消
男性独特の肌の傾向や特徴
男性には、男性独特の肌の傾向や特徴があります。簡単に特徴をまとめますと、次の通りです。
- 皮脂分泌が多い
- 角質が厚くなりやすい
- 肌の水分量が少ない
スキンケアアイテムについて理解していない男性がほとんど
そもそも男性は、スキンケアをする以前に、スキンケアアイテムについて理解していない人が多いです。男性は化粧水をしない、化粧水と美容液の違いがわからないなど、ほとんどの男性が、そのような理解だと思います。
もしかすると、化粧水は女性しかつけないものといった極端な考えを持っている方もいらっしゃるかもしれません。まずは、そのような知識のなさ、偏見を解消してもらうことが、男性のスキンケアの第一歩ともいえるでしょう。
化粧水や美容液、乳液、クリームなど、直接肌につけるアイテムを総称して「スキンケアアイテム」といいます。化粧をするためのものとは若干異なります。それぞれについて、その特徴は次の通りです。
化粧水
肌に水分を補い、うるおいを与える「保水」が主な目的です。肌の調子を整え、後に使用する美容液や乳液、クリームの馴染みを高める目的もあります。
化粧をする前に顔につけるものという認識をしている男性もいますがそれは間違い。化粧をしない男性にも化粧水は必要です。
美容液
目的に応じて、様々な種類があります。たとえば、乾燥肌向けの保湿美容液や美白を目的としたもの、肌のハリをとりもどすアンチエイジングを目的としたものなどです。
目的別に必要な栄養素を肌に補填する役割があり、スキンケアの肝ともいえる化粧品ですが、スキンケアを始めたばかりの男性は、美容液よりも化粧水・乳液・クリームなどを正しく使えるようになることに優先度を置きましょう。
乳液、クリーム
保湿が主な目的です。化粧水や美容液の効果を閉じ込め、水分の蒸発を防ぐ役割もあります。
具体的なスキンケアのステップは次の通りです。
- 洗顔
- 化粧水
- 美容液
- 乳液、クリーム
これを、朝、夜の2回実践します。詳しくは別ページにて紹介します。