夜の過剰なスキンケアは肌を疲れさせるだけ
睡眠不足は老化を加速させる
スキンケアに睡眠は重要だというのはご存知の通りですが、人間には睡眠リズムがあり、寝入ってから約3時間はノンレム睡眠という深い眠りに入ります。この間、成長ホルモンが分泌されて細胞が活性化されて新陳代謝が進み、昼間にダメージを受けた肌が回復するのです。
いわば、人間が自動的に行なっているスキンケアが睡眠によって実行されているのです。
しかし、忙しい現代では睡眠時間を確保するのもままならない、あるいは就寝時間はまちまちという人も多いでしょう。肌の老化が気になりはじめるときに睡眠不足が重なれば、老化は加速されてしまいます。
夜用のスキンケアアイテムは肌にとっての刺激となるものもある
睡眠不足で肌の調子が悪い人は「短時間の睡眠でも効果が出る」「寝る前に塗るだけで、翌朝はしっとり肌に」のような美容液やクリームなどのスキンケアアイテムに興味を持つのではないでしょうか。
男性の中には、入浴後たくさんのスキンケア化粧品を順番に肌につけて安心している人も多いはず。でもちょっと考えてみましょう。
夜用のスキンケアアイテムに含まれる成分の一つに「レチノール誘導体」があります。これはビタミンAのことで、細胞膜を保護する働きがあり、乾燥肌やシミへの効果も期待されています。
また、ビタミンB群は細胞のエネルギー活性に役立ち、角質層の代謝を促すことでシミを消す効果もあるとされます。でも、こうした夜用のスキンケアアイテムは肌にとっては刺激となることもあります。
夜の肌ケアで大切なのは、肌をゆっくりと休ませること
夜の肌では、どんなことが行われているのでしょうか。クレンジング剤や洗顔料で刺激を受けた肌の角質層では、角質細胞から水分を出して細胞の間を水分で満たし始めます。セラミドなどの脂質がその水分をキャッチして正常な表皮のバリア機能を回復させようと働きます。
しかし夜用の有効成分が入った場合、刺激を受けてバリア機能を回復させようと頑張る角質層は、さらに休むまもなく働き続けなければなりません。これでは肌は休めません。
夜の肌ケアで大切なのは、肌をゆっくりと休ませることです。特別なスキンケアアイテムは肌を疲れさせるだけ。大切なのは、肌への水分補給などではなく、肌の表面の水分を正常な状態で保持するためのケアです。
では、どうすればいいかといえば、肌の保湿を高めるものを塗るだけでOKです。アンチエンジングの初期段階では自分の肌タイプがわからない人も多いので、お手持ちの化粧品で十分ですし、単なる油分の成分を顔に塗るだけでもかまいません。
保湿を考えたシンプルな化粧品にすることが肌を休ませる方法なのです。
男性は肌ダメージにつながる行為に要注意
少しでも刺激を感じたらすぐにやめること
スキンケアやヘアケアをする男性が増え、メンズコスメ市場は年々拡大しています。
肌のテカリやべたつきなど、男性も肌に悩みを感じているのです。さらに男性の中にも、ニキビなどの肌荒れや、加齢によるシワが気になって、スキンケアに興味を持ち始める人もいます。
中年男性は自分に使えるお金がある程度あるため、高価なメンズコスメを購入する人も多いようですが、エイジングケアを始める際のスキンケアアイテムは、ドラッグストアなどで買える安価なもので十分です。
最初は多機能で様々な有効成分が入っているスキンケアアイテムである必要はなく、シンプルな保湿効果があるものでOK。少しでも刺激を感じたらすぐにやめることです。
スキンケア初心者は最初から高機能な洗顔料を用いなくても良い
ウォータープルーフタイプタイプの日焼け止めを用いていないのであれば、洗顔時はハードな洗顔料を用いず、石鹸を用いてたっぷりの泡を作り、ぬるま湯で洗えば汚れは十分落ちます。
というのも、皮膚の表面には、角化層という死んだ組織でできた層があり、これが肌を覆って保護しています。角化層はこすれば取れるため、垢と勘違いする人がいますが、肌に必要なものです。無理やりこすり取るのはやめておきましょう
- ウォータープルーフタイプの日焼け止め
- 専用のクレンジングアイテムを用いて除去が必要
- 通常の肌の汚れ
- 普通の洗顔料でたっぷりの泡を使えばOK
男性のほうが女性よりも一般的に皮膚が厚く皮脂の分泌量が多い
基本的な皮膚の構造や肌のうるおいが保たれる仕組みなどは、男女で差はありません。違うのは、男性のほうが女性よりも一般的に皮膚が厚い、男性のほうが皮脂の分泌量が多い、女性のほうが水分量は多い、女性には閉経があり肌に影響を与える、といったことです。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
身体的特徴 | 皮膚が厚い 皮脂の分泌量が多い | 水分量が多い 閉経などで肌に大きな影響 |
行動的特徴 | 紫外線に無防備 顔をゴシゴシ洗うなど肌へ接触が多い 日々ひげ剃りで角質層を削っている 肌ダメージに無頓着 | 細やかな紫外線対策 できるだけ肌に触れずに洗顔 肌への配慮が行き届いている |
男性は紫外線に無防備だったり、顔をごしごし洗ったり、ヒゲ剃りで角質層を削り取るなど、女性よりは肌ダメージについては無頓着です。こうしたことが肌状態を悪化させていると考えられます。
スキンケアはシンプルな事をコツコツやることが基本。男性も保湿と紫外線対策は心がけてください。