肌内部にある保湿物質が働かなくなると乾燥肌となる
人間の肌にはもともとうるおいを守る保湿物質がある
保湿成分は、多くの人が化粧品に配合されているもので肌の上から塗るものと思いがちです。しかし、人間の肌にはもともとうるおいを守る保湿物質があり、それが肌の乾燥を防ぐのです。
なかでも有力なのが角質細胞間脂質と呼ばれるもの。これは角質細胞のあいだにあって、水分の蒸発を防いでいる脂質の一種です。いろいろな脂質が混ざり合って構成されています。
その約40%を占めるのがセラミドです。なお、セラミドは保湿物質の中でも最強レベルです。
肌の中にある保湿物質は老化とともに減るため乾燥肌はひきおこされやすくなる
これらの脂質(保湿物質)の量が減ったりして正常に働かなくなると、肌内の水分を抱えていられなくなり乾燥してしまうのです。
肌の中にある保湿物質の生産量は年々、老化とともに減るため、肌は乾燥しやすくなるのです。
角層の水分量が減り乾燥状態が続くと肌は硬くゴワゴワに
また、角層の水分量が減り乾燥状態が続きますと、肌は硬くゴワゴワしてきます。これは、角層が厚くなっていくため。
角層には本来、外の刺激から肌を守る働きがあります。乾燥とは、角層のバリア機能が損なわれている状態のため、肌は「角層をもっとつくろう」と、細胞の生産を速めるのです。
すると、その生産スピードに追いつけない、未熟な細胞が表面に出てきてしまうことに。
これではきちんとしたバリアの役目を果たしませんので、角層は、さらにどんどん厚くなっていきます。こうなるともう悪循環で、凸凹した変に厚みのある角層ができ上がってしまうのです。この悪循環にはまらないために行うべきケアは、保湿です。
化粧水をたっぷりつけるよりも「保湿成分」を与えることが重要
化粧水=保湿ケアは間違い
保湿はスキンケアの基本ですが、毎日ケアをしていても肌が乾燥する人が多いのも事実です。
というのも、多くの人が、化粧水などで水分を補うことが保湿だと間違って認識しているために乾燥から脱却できないのです。
まずは「化粧水=保湿ケア」という概念を捨てましょう。
保湿成分を配合した美容液を与え肌の保水力を高める
肌の乾燥を防ぐための正しい保湿ケアとは、肌内部の水分を抱えて離さない、保水力のある成分を配合した美容液などを与えることです。
つまり、従来の化粧水を含ませたシートマスクでのケアや化粧水の重ねづけも、正しい保湿とはいえません。
セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分を配合した美容液を与え、肌の保水力を高めるのが本当の保湿です。
どうしても乾燥するときは美容液をセラミド配合に
セラミドは最強の保湿成分
保湿成分の配合された美容液などを使っていても、まだ肌が乾燥する場合の対処法をご案内します。それはズバリ、保湿成分のなかでも効果の高いセラミド配合の美容液に変えてみることです。
速効性があるセラミドは、継続して使えば肌の水分を増やすことも可能なため、乾きにくい肌をつくれるのです。
セラミド含有量にも気をつける
もし、すでにセラミド入りの美容液を使っている一方で、まだ乾燥するならば、その美容液のセラミド含有量が少ないおそれがあります。
使用している商品を見直すのもよいでしょう。40代以降の場合は、水分だけでなく油分も減少するため、セラミド入りの美容液の上にクリームなどを重ねて、油分も同時に補給するといいでしょう。
角質ケアも続ける
また、ターンオーバーが高まるピーリングなどの角質ケアを続けますと、もともと肌に存在するセラミドを少しずつ増やすことができます。いろいろ試して、肌に合った保湿ケアを見つけてください。
肌の奥までしっかりうるおう保湿パックで集中ケア
洗い流すタイプの保湿パックがおすすめ
乾燥しますと、肌色がくすんでしまいがちです。乾燥が進むと表面の角質が厚くなりますので、保湿美容液をつけてもなかなか奥まで浸透しません。
このような場合におすすめなのが保湿パックです。集中的に肌の奥にうるおいを与えるため、乾燥肌の即効ケアになるのです。
保湿パックにも種類がありますが、クリーム状もしくはゲル状の、塗って洗い流すものがよいでしょう。
洗い流すタイプのパックは、手軽に日常のケアに取り入れられるのも魅力。週に2回程度を目安に、継続的に使いましょう。うるおった肌は透明感を増します。
シートパックよりも洗い流すタイプのものが、肌にやさしく、保湿効果も高い
最近は、男性でもシートパックを用いるのが一般的ですが、あらかじめシートに含ませてあるものは防腐剤などの添加物が多く、かぶれることがあります。
また紙のシートに化粧水を含ませるものもありますが、化粧水では保湿力が弱い上、紙の繊維が刺激になることも。
肌に塗ってから時間をおいて洗い流すタイプのものが、肌にやさしく、保湿効果も高いのです。
あまりに乾燥肌がひどいならクリームだけを塗る
低刺激のクリームとUVカットで対処を
乾燥がひどくなると肌のバリア機能が低下し、肌あれを起こします。化粧水がしみたり、かゆみを感じたりすることもあります。そんなときは、しみるものはやめ、ワセリンや低刺激のクリームなどで水分の蒸発を防ぐのみにとどめます。
また、乾燥してあれている状態でも、紫外線対策は必要です。
肌がゴワゴワしてきたらピーリング&保湿で対応
ゴワゴワした感触は肌の悪循環からつながったもの
肌がゴワゴワしているというのは、乾燥して角層が厚くなっている状態です。角層は、外の刺激から肌を守る役割を果たしています。そのため、乾燥して角層のバリア機能が損なわれますと、よりいっそう肌を守ろうとして厚くなってしまうのです。
というのも、肌内部で急いで角質を作ろうとするあまり、未熟な角質細胞ができてしまうことからです。この未熟な角質細胞がどんどん積み重なって、できそこないの角層ばかりが厚くなっていきますと、ゴワゴワした感触になるのです。
角質の状態リセットにはピーリングが有効
一番の解決策が保湿なのですが、まずは角層の状態をリセットするため、厚すぎる角層をピーリングで取り去るのも有効です。
ただし、赤みやかゆみ、ヒリヒリ感などをともなう場合はやめておきましょう。
脂取り紙は使いすぎに注意
皮脂の取りすぎは乾燥肌の元
皮脂はそのままにしておきますと、紫外線により酸化して、肌にダメージを与える物質に変化してしまいますので、取り除くのが望ましいです。
ただし、皮脂には肌表面をコーティングして、潤いが外に飛んでいくのを防ぐ働きもあり、取り除きすぎると肌が乾燥してしまいます。
1日1~2回程度に留める
明確な基準はありませんが、脂取り紙を使うのは、一日に一回ないし2回程度にとどめるのが、無難なところです。
一日に3回以上はやりすぎだと思いましょうです。強力に皮脂を吸収する脂取り紙ではなく、肌当たりがやわらかく皮脂の吸収も適度なティッシュなどで代用するのもおすすめです。