はじめに
鼻の頭や頬にポコポコと開いた大きな毛穴。黒ずんできたり、重力に逆らえず潰れたような形になってきたりと、どんどん目立つようになります。毛穴の開きは中に詰まった皮脂が原因。洗顔でこれを取り除き、毛穴が自ら締まるようにするには時間がかかりますが、必ず改善します。
毛穴の開きの解決は時間がかかる
毛穴の開きは、毛穴に詰まった皮脂が原因ですが、しっかり洗顔して皮脂を取れば解消するわけではありません。
というのも、皮脂は毛穴に詰まると固まって、普通に洗顔したくらいでは取れなくなりますし、一度開いた毛穴も開いたまま癖づいて簡単には締まりません。硬くなった毛穴まわりの角質をコツコツ剥がして脂を出していくしかありません。
非常に時間はかかりますが、毛穴が開きやすい肌というのはもともと皮脂分泌が活発ですから、毛穴の開きさえ改善すれば、前より綺麗な肌となり得ますので諦めないで続けることが大切です。
ケアで改善できるのは詰まり毛穴とたるみ毛穴
毛穴が目立つのは、生まれつきの要素もありますが、皮脂が詰まって目立っている場合や、真皮が衰えて肌がたるみ、毛穴が広がって見えている場合もあります。これは、適切なスキンケアでの予防や改善が可能です。
ただし、詰まり毛穴とたるみ毛穴では、対処法も異なります。まずは自分の毛穴がどんな状態なのかを知ること。そのタイプに合ったケアを的確に行うことが大切です。
毛穴のつまりのケアの方法
毎日分泌される皮脂が原因ですので、毎日のケアが一番重要であり、効果が高いです。
特に、洗顔で皮脂を落とすことは基本。酵素洗顔料なども上手く取り入れると良いでしょう。穏やかに詰まりを取り除いてくれる効果があります。
毛穴の開きのケア方法
基本的なケア方法は毎日の洗顔で皮脂を落とすことです。夏場など日中の皮脂が多く出てきている際は、顔用の拭き取りシートやあぶらとり紙で取り除きます。このとき、ゴシゴシ擦る男性も多いのですが、皮脂を抑えるように丁寧に取り除くことが大切です。また、回数も1日に2回以内に留めるようにしましょう。
さらに、紫外線を浴びるときには、皮脂を長い時間放置しないようにしましょう。
ビタミンC(美容液成分)は皮脂の抑制効果がありますので、ケアに取り入れるといいと思います。コラーゲンを増やす作用もありますので、美肌にはとてもおすすめ。
ビタミンCの中でも、「リン酸アスコルビル」「パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na」「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」は、ビタミンCを肌へ浸透しやすくしたものです。これが、ビタミンC導入体と言われています。
冷やしても毛穴は小さくならない
冷水で毛穴を引き締めるケアもよく耳にしますが、冷やしても毛穴は小さくなりません。それどころか、急激な温度変化(冷たすぎ、熱すぎ)は赤ら顔を招くことに。注意しましょう。
収斂化粧水を使うときは、乾燥している部分や目元、口元は避けて、毛穴や皮脂の気になるところだけに使うのが良いでしょう。
毛穴のたるみのケアの方法
毛穴のたるみにはコラーゲンが効果的です。コラーゲンを増やすために、普段のケアにピーリングコスメを取り入れると良いでしょう。
ピーリングはコラーゲンを増やし、たるみをケアします。さらに、古い角質を取り除き、角質が詰まるのを防ぐ効果もあります。肌全体がよみがえります。
ビタミンC導入体を活用する
ビタミンCもコラーゲンを増やすはたらきがあります。一番のおすすめなのがレチノールです。レチノールは肌への浸透力が強く、コラーゲンを増やすことができる頼もしい成分です。
ただ、刺激も強いですので、濃度の薄いものから始め、だんだんと濃くしていきましょう。皮膚科では、レチノールと同じ種類の成分の「レチノイン酸」を処方してもらうことができます。
毛穴は手入れ次第で小さくすることができる
汚れを取り除けば、毛穴は自然に小さく縮む方向に
毛穴は体温や肌の調子によって、常に拡大と収縮を繰り返しています。
実際に、気温も体温も上がる夏は、毛穴は冬と比べて10%も大きくなるのです。夏に毛穴が開くのは決して気のせいではなかったのです。
毛穴は拡大もすれば収縮もします。そのため、毛穴は手入れしだいで小さくすることができるのです。とくに、肌がまだ若くてハリのある状態なら期待大です。
手入れで最初に行うことは角栓を取り除くこと
まず真っ先に実践すべきは、毛穴の中つまった角栓を取り除くこと。
これには、ピーリング、鼻専用パック、指で押し出すなど、いろいろな方法がありますが、人によって肌を痛めるものもありますので、慎重に検討することが大切です
毛穴の中の汚れを取り除けば、毛穴を押し広げる邪魔者がいなくなり、毛穴は自然に小さく縮む方向になります。
このとき、毛穴を引き締めるローションや皮脂をコントロールする美容液を使えば、さらに毛穴が小さくなるのをスピードアップできます。
毎日のクレンジングや洗顔を徹底する
次に取り組みたいのが、毛穴に汚れをためないよう毎日のクレンジングや洗顔を徹底すること。角栓は大きくなってから除去するより、小さいうちに除去するほうが毛穴を広げないので効果的です。
とくに、男性は日焼け止めを落とすためにクレンジングを行わない人が多いため、日焼け止めが長いこと肌に残りがちです。日焼け止めを用いた際は、クレンジングも必須です。
真皮の弾力を取り戻すケアで毛穴を引き締める
ピーリングとレチノールで予防にいそしむ
たるみ毛穴は「予防」が基本です。若いのうちからきちんとケアしておくといいでしょう。では、具体的にどのようなケアが効果的なのかといいますと、自宅でできることとしては2つの方法があります。
ピーリング
一つめは、ピーリングを行うこと。ヒーリングには、皮膚のコラーゲンを増やす作用がありますので、毛穴のゆるみを防ぐ効果があります。
そのうえ、古い角質も取れますので、角栓を防ぐこともでき、詰まり毛穴のケアにもなって一石二鳥です。ピーリングについては皮膚科で相談することをおすすめします。
レチノール
二つめは、レチノールを配合した化粧品をケアに取り入れること。このレチノールは、医学的にも証明されているコラーゲンを増やす働きの強い成分。肌への浸透力があり、首の皮膚のコラーゲンに作用するといわれています。
ただし、刺激が強いという面もあります。使い始めは、効きすぎると肌がカサカサしてきたりもしますが、使い続けていくことで、徐々にそのカサカサも落ち着いてきます。レチノールはビタミンAの一種でもともと体内にある成分ですから、基本的には安全なものです。
レチノール入りの化粧品は、おもにシワ対策の目元用の化粧品として売られていることが多いですが、たるみ毛穴予防に使っても、もちろん問題ありません。
刺激が少なく使いやすいビタミンC誘導体
レチノールよりも刺激の少ないビタミンCは、たるみ毛穴はもちろんですが、肌が敏感になりがちな開き毛穴タイプでも比較的使いやすい成分です。ビタミンCには、コラーゲンを増やす作用と、若干ではありますが皮脂の抑制作用とがあります。
一口にビタミンCといっても、いろいろなタイプの成分があるので、肌への浸透力を高めた誘導体型のものがよいでしょう。
なかでも、とくにおすすめなのがリン酸型やAppSと呼ばれる新しいタイプです。よく耳にする「純粋なビタミンC」は、化学的にいうとアスコルビン酸ですが、これを浸透しやすい形に改良したものがビタミンC誘導体です。
成分表示上では、リン酸型は「リン酸アスコルビル」、APPSは「パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na」と表示されます。選ぶ際の参考にしてください。
イオン導入機という美顔器を使って、週に1度程度ビタミンCのイオン導入をすると、毛穴ケアに有効です。
テカリを感じたらこまめに皮脂を取る
皮脂によるテカリをそのままにしておきますと、肌の上で酸化し始め、過酸化脂質という刺激物質に変化してしまいます。この刺激物質が老化を促すおそれがあります。
洗顔シートやあぶら取り紙でこまめに皮脂を押さえるようにしましょう。ただ、頻度は少なく、1日に2回程度に押さえておきましょう。
どのタイプの毛穴も、皮脂が多いと詰まりの原因となり、よけいに目立つたり悪化したりします。皮脂分泌を抑える栄養素をとるとよいでしょう。
一番の対処方法は美容皮膚科で相談すること
では、鼻の毛穴が気になったらどうするかといえば、鼻の毛穴の目立ち具合は遺伝や体質です。つるつるの人は毛穴の奥の皮脂腺が発達していない人なのです。うらやましく思っても、そのようにはなれません。
鼻の毛穴を気にしてゴシゴシ洗いすぎたり、よくない刺激を与えていたりすることで、未熟な角質が多くなり、なおさら目立つようになるのです。まずは、今の毛穴の状態を知ることが必要です。
- 脂の分泌が多すぎて毛穴が目立っているか
- 角栓が詰まっているか
- 毛穴の皮膚が黒ずんでいるか
- 毛穴に炎症が起こっているか
- 毛穴が目立つ原因は皮膚のたるみによるものか
その原因に応じて対処方法が異なりますので、近くの美容皮膚科を受診し、相談するのがよいでしょう。
毛穴ケア時にやってしまいがちなNG事項
剥がすタイプの鼻専用毛穴パック
鼻に貼って剥がすことで、角栓がたくさん付いてくる毛穴パック。角栓がたくさん取れるため非常に効果的かと思われますが、将来鼻の毛穴をさらに広げることとなります。
毛穴パックのメカニズム
強力な粘着力で毛穴と肌に密着し、その密閉力で毛穴を押し広げ角栓をキャッチし、強力な粘着が固まったところで一気に引き抜き、大量の角栓を取っています。
その後、鼻の皮膚では大変なことが起こっています。はがしたときに毛穴の皮膚の一部もはがれて炎症が起きます。毛穴は開いたままのため、そこにまた皮脂や汚れが溜まっていきます。
硬くなった毛穴まわりの肌をゆるめて柔軟性を持った肌に戻さないことには、根本的な解決にはなりません。
より毛穴が目立つようになる&肌が硬く厚くなる
さらに、成熟してない角質が作られるため、なおさら毛穴が目立つようになります。そうなると、毛穴パックの頻度が多くなり、より鼻の皮膚にダメージが起き、毛穴の周囲の肌が陥没して、毛穴が大きく開いたように見えてしまうことになります。
また、肌を傷めてしまうため、肌は刺激から身を守ろうとし、さらに硬く分厚くなり、かえって毛穴を閉じにくくしかねません。
鼻の毛穴を押して角栓を出すのも同じです。毛穴が広がってしまってからは、医師が施術をしても元通りにはなりません。
悪影響な生活習慣
喫煙・睡眠不足・飲酒は、毛穴にとって悪影響
喫煙・睡眠不足・飲酒はまさに毛穴の三大悪です。どのように悪影響があるかをしっかり抑えておきましょう。
- タバコ
- 血管を収縮させて、肌への酸素の供給を妨げるほか、活性酸素そのものを発生させます。つまり、酸素不足にして肌全体の体力を奪い、肌のハリを奪って毛穴の目立ちを助長するのです。
- 睡眠不足
- ターンオーバーを狂わせたり、活性酸素を発生させたり、肌が乾燥したり、ろくなことがありません。
- 飲酒
- 「酒は百薬の長」の言葉を信じて、適度な量なら体によいのではと勘違いしている人が多いようですが、血中のアルコール濃度を薄めるために体の水分が使われてしまうため、肌は乾燥します。肌が乾燥すると干からびて毛穴周辺の肌のくぼみが目立ってしまうのです。