シミには有効成分が浸透する美容液やクリームを選ぶ
美白アイテムは、できたばかりの新しいシミ対策と、新たなシミをつくらないために使う
肌に浮き出た色の濃いものをシミといいますが、ひとことでシミといってもいろいろな種類があります。
エイジングケアを始めたばかりの男性は、シミといえばなんでも美白アイテムでお手入れすればよいと思っている人が多いようですが、美白アイテムには実は得意なシミと不得意なシミがあります。
美白アイテムはできたばかりの新しいシミは大の得意ですが、できてから何年もたった古いシミは大の苦手なのです。美白アイテムで肌の表面からアプローチしても、老人性色素斑のシミを消す効果は期待できません。
ほとんどの美白アイテムはメラニンの製造をストップさせることを主眼としている
ほとんどの美白アイテムはメラニンの製造をストップさせることをメインにつくられているのです。それというのも、シミは紫外線を浴びたまさにその一瞬にスイッチが入ってしまい、そこからわずか3日でシミの元となるメラニンができ上がってしまうからです。
そのため、ほとんどの美白は、紫外線のダメージに早い段階でストップをかけることに主眼を置いているのです。
美白アイテムをもう何年も顔にあるシミに思い立って塗ってみても、ハッキリとした手ごたえが得られないのはこういう理由からです。
美白アイテムは、できたばかりの新しいシミに、また新たなシミをつくらないためにこそ、使うものです。
シミによって美白アイテムが有効かどうかは変わる
たとえば老人性色素斑(初期のもの)、炎症性色素沈着、肝斑、雀卵斑には美白アイテムが有効です。「美白アイテムを使っているのに効かない」と感じていた人は、まず自分のシミのタイプを見極める必要があります。
では美白アイテムが効かないシミの場合は解消法がもうないのかといえば、そうでもありません。レーザー治療などの美容医療を用いることで解消することができます。
美白アイテムの選び方
肌で試しながら選ぶのがポイント
世の中にはたくさんの美白成分があり、それらを配合した美白アイテムも無数にあります。その中から、自分の肌に合う、そして効果のあるベストの一本を探すことになります。
しかし、万人にオススメできる第一位のものはなく、残念ながら、肌で試しながら探していくしかありません。なぜなら、人によって成分との相性があり、効果の出方が違うためです。そのため、どの成分がとくに効いて、刺激が強い成分がどれなどとは、一概にいえないのです。
そのほかにも、肌に合う・合わないが人によって違うこともあります。エイジングケアの最初のステップとして自分の肌で試して確認していくしか方法がないのです。
ちなみに美容皮膚科では、ビタミンC誘導体やカモミラETなどの抗炎症効果のある成分をよく使います。かぶれにくいことと、アンチエイジング効果も同時に期待できるためです。
美白成分は、どのような働きをしてくれるか
紫外線に当たると、肌の中でメラニンをつくるよう指令が出ます。そこでメラニン色素がつくられ始めるわけですが、このメラニン色素を製造するプロセスを、どこかの段階で抑えるのが美白成分の働きです。
ただし同じ美白成分とはいえ、成分によって働きかけるタイミングが異なります。
美白といえば、肌全体を真っ白にしてくれるものと思われがちですが、それは誤解です。メラニンの生成を抑えるのが美白成分の働きですから、ニキビ跡の赤みなど、メラニン色素によるものでない色は白くすることができません。
ただし、ビタミンC誘導体は、二キビ跡の赤みに有効です。
美白っぽいものではなく美白成分を含む化粧品を選ぶ
パッケージがなんとなく白だったり、「ホワイト〇〇」というような商品名だったりすると、美白アイテムのように認識していませんか。
美白と記載されていても、イメージだけで、本当に効果のある成分が配合されていないものも多いのです。
美白アイテムとは、美白成分がきちんと配合されているものをさします。厚生労働省が薬品美白成分として認めたものは、ネットなどでも確認できるので選ぶ際の参考にしてください。
ただ雰囲気だけで選んでいると、美白成分が入っていないこともありますので、選ぶときには、美白成分が確実に入っているものを選びましょう。
医薬部外品指定とそうでないものがある
美白アイテムには、医薬部外品指定の成分が含まれているものと、そうでないものがあります。
必ずしも医薬部外品のほうが効くというものではありませんが、自分で選ぶ自信のない人は、医薬部外品から選ぶのも一つの方法です。
美白アイテムはいつ使えばいいのか
夏になって使い始めるのでは遅い・美白アイテムは予防目的で使うのが正解
夏になってはじめて美白アイテムを使い始めたり、日焼けしたから美白アイテムを使ったりする人は多いのですが、これではシミのお手入れとしては不十分です。
多かれ少なかれ紫外線は日々浴びていますので、肌内部のメラニンは季節を問わず活動しています。それなのに美白ケアをほとんどしないとなりますと、メラニンの活動をたまにしか抑えていないことになります。
40代になってエイジングケアの一貫でできてしまったシミをなんとかするのは、時間も手間も相当かかります。美白ケアの基本はシミをつくらないという「予防に専念すること」なのです。
美白アイテムは一年中使用するのがベスト
メラニンのスイッチは、まさに紫外線を浴びた、その一瞬にオンになってしまいます。紫外線を浴びると、肌の表面の細胞からメラニンをつくるよう次々に指令が出され、メラニンの工場であるメラノサイトが動き出します。
また、紫外線を浴びることで肌の中に発生する活性酸素が直接的にメラノサイトにダメージを与えます。日焼けしてから使うのでは遅く、シミが出始めてからでは、完全に手遅れです。
そのため、美白アイテムは日焼けする前から使っておくのがベストです。日常的に美白を習慣にしていれば、紫外線のダメージに即座に対処できる、美白反応力の高い肌でいられます。
肌の透明感を死守したいなら、美白アイテムは一年中使用し、とくに紫外線の強い春・夏は徹底したいものです。何より毎日きちんと続けられる、ものを選ぶことが大切です。
美白ケアに使う化粧水は毎日行う前提の物を選ぶ
美白アイテムには、化粧水から美容液、乳液、クリーム、マスクなど、様々なアイテムがあります。どれを使えばいいのかと迷ってしまう人も多いはず。
ここで一番大切なのは、美白ケアは毎日行うことです。そのため、高級で使いづらいものよりも、サラッとした美容液など取り入れやすいアイテムが適しています。
美白アイテムは一年中使い続けられそうな使用感のよいものを選びましょう。自分にとって無理のない価格の商品でかまいません。
シートマスクはどのタイミングで使えばいいか
シートマスクは、紫外線を浴びてしまったときなどに、集中的に美白したいときなどにはおすすめです。
とくに、紫外線を浴びたあとの3日間、シートマスクで集中的に美白しますと、その後の肌の復活力が違います。ただし、毎日やるのはもったいないと、週に一度のスペシャルケアになってしまうなら、美容液で地道にお手入れしたほうが賢明です。
エイジングケアの一環として美白美容液などを毎日使いつつ、マスクも定期的に併用するようにしましょう。
レーザーによるシミ治療は効果があるのか
シミの種類によっては取れないこともある
レーザーで取れるシミは多く、とくに何年も前からある古いシミには、レーザーで取るしかない、というケースも多数です。ただし、レーザーは決して万全ではありません。レーザーではシミを全部取ることはできないのです。
レーザーで取れないシミの代表は、年齢によるホルモンバランスの変化が原因とされる、両頬に左右対称にモヤモヤと現れる「肝斑」。ソバカスのつながったものと見分けがつきづらく、皮膚科の医師でも見間違うことがあります。
しかも、レーザーを当てることでかえって黒くなってしまうケースもありますので、要注意。